言語の基本は音声であり、その音声言語は暗黙知です。ネイティブは発音が良く、表現も豊富なのですが、話す事はできてもそれを教える事ができません。
日本人だって日本語が話せてもどうすれば日本語が話せるようになるかを説明できません。
日本語や英語の言語は暗黙知であるからです。
言語は文法と語彙を基本とする、体系的なものではありません。日本語も英語も文法のようなルールが作られてから、表現が発達した訳ではありません。
子供が文法を学ぶ前に正しい言葉が使えるのは、言語は達人を真似て多くの表現を覚えるだけで習得できる暗黙知であるからです。
全ての言語は多くの表現が生れ、そして良く使われる表現だけが残りました。そして文法と呼ばれているのはその後に発見されたに過ぎません。
言語は多くの表現が集積された事例基盤のシステムなのです。
英語でも、日本語でも例外が多いのはそのためです。
「俺はウナギだ」と言う日本語があります。
文法的に英語で直訳するとI am an eel.となります。
もちろんそれは間違いで、“私の食べたいものはウナギだ。”と言う意味です。
日本語では「は」は主語を表す格助詞ですから、「俺は」は主語となるはずです。しかし、「俺はウナギだ」は文法の説明ようになっていません。
日本語も文法が基本ではなく、日本人がどう使うかでその意味が決まります。大事な事は単語毎に文法的に英語にして良くないと言う事です。
言語は文法を基盤に機械的に作文できるものではなく、使われている表現の意味を理解して、そのような同じ場面でその表現を使う必要があります。