英語の”Time flies like an arrow.”は、文法的に考えると実に5通りの解釈ができます。訳したのは1960年代にハーバード大学が開発したコンピュータによる文法分析器だそうで、その機械による訳は以下のようなものです。
- 時間は矢の進むが如く早く進む(光陰矢の如し)
- (あなたが)矢の速さを測るが如く、蠅の速さをも測りなさい
→ Timeは「速さを測定する」という動詞の命令形、fliesは名詞(蠅)の複数形
- 矢が蠅の速さを測るように、蠅の速さを測りなさい
→ like an arrow のarrowが主語として解釈されている(2.では目的語として解釈)
- 矢と似ている蠅の速さを測りなさい
- タイム蠅は矢が好きである
2から5の解釈はまさに人知を超えた「超訳」ですが、たしかに文法的には正しいといえます。
その英文はfliesを動詞として訳し、“時間は矢の進むが如く早く進む”が正解になります。ではfliesが動詞であると分かるのは英語の訳を知っているからです。
文法の知識は英文の訳が理解できないと、どのように訳すかは文法的には理解できないのです。文法は言語の基本ではありません。